緑内障や網膜色素変性症などによる視野障がいが自動車の運転にもたらす影響について、実際の患者の方の運転行動データを取得し、分析しています。また、運転支援システムの利用効果について実験とシミュレーションを行い、視野障がいを有する方に向けた支援技術のあるべき姿を探求しています。さらには、医療機関において「運転外来」を開設し、視野障がいを有する方へ、事故を回避するための適切な助言を行います。
緑内障や網膜色素変性症の実際の患者の方を対象として、外来に設置した簡易ドライビングシミュレータで運転行動データを蓄積し、視野の障がいの内容・程度と事故の起こりやすさの分析を行いました。 このシミュレータはアイトラッカと連動しています。視野障がいで見えなかったのか、見えていても反応できなかったのか、の識別も可能となっています。
高精度ドライビングシミュレータを使って、実際の運転に近い環境下での運転行動の特徴を抽出しました。 その特徴をマルチエージェント交通流シミュレータに反映し、視野障がい条件下の事故の起こりやすさと、運転支援機能の効果評価を行っています。
本事業で活動している医療機関のうち、これまでに2施設において運転外来を開設しました。 運転外来に設置した簡易ドライビングシミュレータを用いて検査を行い、その結果を踏まえて運転において注意すべき点について助言を行っています。 家族・関係者の皆様が視野障がいについて理解を深めていただくことも重視し、視野障がいの影響を体験できるツールも開発しています。
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SIP自動運転は、引き続き人文・社会科学の視点も含む総合知をフル活用して、Society5.0の具現化として社会構造を変革する自動運転社会の実現と、その先にある一人ひとりの多様な幸せの実現に貢献していきたいと思います。
D1視野障がい者を支援する高度運転支援システムの研究
D2自動運転等による交通事故削減効果の推計
D3自動運転の安全な利用に係る効果的な教育方法の開発
D4自動運転の社会的受容性醸成に係る調査と戦略的な理解の促進